あらまほしきことなり

研究やってていちばん心が折れるのは必死に考えて思いついたことがすでに先行研究として確立してて、かつその先行研究のほうが当然ながらぐうの音も出ないくらい出来がいいときだと思うんだけど異論ある? 論文を読むのがそもそも苦手だし英語読むのがクソ遅いしでいつも取っ掛かりがぐう遅い自分が悪いんだが、たいていの場合自分のアイディア補強になるものなんかねーかな、と探してるときに限って自分の思い付きが超ブラッシュアップされたかたちで書き上げられた論文にぶち当たるのである。で、うわー、と思い、ただでさえさほど強くないモチベーションがさらに萎える。これぞ悪循環。


なんでそんな話をするかといえば今回ネタにしようと思ったことがすでにほかのブログでネタになっていたからである。
最近では洋服を買うときに土日限定価格のユニクロへ行くか楽天あたりで適当に見繕うかという最底辺クラスの二択でほぼ固まってきたわけだが、Web通販の商品ページをつらつら見てると「切り替えし」という表記をしきりと見かける。これが前からずっと気に入らない。俺の理解では洋服においてデザインだとか機能的な目的だとかで別種の生地をはぎ合わせるのは「切り替え」であり、一方「きりかえし」という読みに当てられる正しい漢字仮名交じりの表記は「切り返し」のはずで、その異種交配の結果誕生してしまったのであろう「切り替えし」を見かけるたびにギアッチョばりの短気さで超ムカついていたわけである。

いつかブログを作る機会があったらこれについて書いてやろうと漠然と思っていたのだが、今回自分の正しさを確認する意味でGoogle先生に「切り替えし 切り返し」のクエリでお伺いを立てたらすでにこのことについて書いておられるブログが存在した。しかも4年も前に。出遅れた感が半端ない。しかしこのクエリではこの話題に触れているページがこの一件くらいしかひっかからないというのも逆にすごいような気がする。(検索結果の2ページ目に"アパレル用語集"なるページがヒットしたが、「切り替えし/切り返し」と同音異表記扱いになっていた。なめてんのかァーーーッ、このオレをッ!)

トラックバック先のブログではご自身の経験や辞書の定義から丁寧にどう間違っているのかが解説してあり、まさしく日ごろ(すいません嘘つきました、日ごろなんて言えるほど日ごろ研究してないですけど)研究してて立派な先行研究にぶち当たったのと同じ感覚をはからずも味わった。だいたいそういうもんだ、世の中自分が思っている以上に同じようなことを考えている人がいるんだよ。カニグズバーグ女史も言ってたじゃないか、あなたが何かしようと思ったらN.Y.では少なくとも2000人が同じことを考えてるって。

で、彼女が言ってなかったもうひとつの真理は、その2000人のうち少なく見積もっても半数以上は自分よりも優秀で、すでにそのしようとしたことに取り掛かっていたり、下手したらもう片付けてしまったりしてるってことだ。それも自分よりもはるかに上等な形で。


さて。続きやるか、続き。