無謀無策上等/はじめてのかばんづくり

レザークラフトをやってみたかった理由のひとつは「バッグを作ってみたい」という願望があったからです。
しかしバッグといえばやはりレザークラフトの中でもなかなかの大物であるはず。とりあえずまずスマホケースを作ってみて手縫いの感覚みたいなのはなんとなくわかったけど、それだけで作れるものでもありますまい。これからいろいろ小物とか作ってステップアップしたら俺、いつかはバッグを作ってみるんだ!






















そんな面倒なことやってられっか!
やってみようと思ったら後先考えず突貫あるのみよォーッ!
…というわけでハギレを適当に購入し(色は指定できるけど厚みとかはすべてお店におまかせ)、届いたもので作れそうなサイズを見立ててぶっつけ本番でやってみたバッグがこちらになります。

とにかく「バッグとして形になっており、自分でちゃんと使えるもの」さえできればほかは不問、というスタンスで挑んだんですが… 贔屓目に見たら&画素数的にプアな携帯カメラのこの写真で見たらわりとなんかそれっぽく見えるから不思議。「中古屋で本革バッグ1000円で売ってたから買ってみたんだ!」とか言い張ればもしかして信じてもらえるかもくらいの感じ… いえ調子に乗りすぎましたすみません。





手縫いの練習も兼ねているから勿論ちゃんと縫うべきところは縫いたいけど、でも早く形にして使ってみたいし菱目打ちで穴を空けるのが面倒かつ音がやかましい(マンション住まいだとこの騒音はかなり問題、同居家族にも近隣宅にも)からできる限り縫う箇所は少なめにしたい、という矛盾した要求を満たすため、本体部分は1枚の革で構成。せっかくなので本体の展開図みたいなものを描いてみました@SC-05DのSメモ。誰が参考にするとも誰の参考になるとも思えませんが、主に自分のために。

わかりやすくするためにかなり誇張して描いていますがもちろん実際に作る場合は三角の切り込みはこんなに大きくなりません。今回のバッグは型紙すら作らず適当裁断で挑みましたが(一応、「Nexus7+モバイルルーター(007Z)をらくらく放り込めて、さらにほかの小物を入れる余裕もあるくらいのサイズ」が欲しかったので、Nexusルーター現物を上に置いてみてなんとなくのサイズ確認はしましたが、メジャーで採寸とかは一切なし)、マチはそんなにいらない、むしろ薄いほうがスタイリッシュ(笑)かもしれない、と思い、実際には三角部分の切り込みは底辺4cm高さ2cmの直角二等辺三角形型にしています。これでだいたい底部分のマチが4cm前後になるかな? という計算であり、実際だいたいそのくらいになっています。



本体部分作成の工程を改めてまとめてみます。

  1. 革を長方形に裁断 サイズはお好み、ただし今回の作り方では底部分&サイド部分は引っ張られてたわむ形になるので多少余裕を見よう
  2. 今回は裏地なしでいくため、裏面全体をトコノールで処理(裏面は貼り合わせるところがないので全面洗ってOK)
  3. 中表にして半分に折り、図のような形になるよう折り目部分のところを三角形に切り取る(重ねて裁断することで少しでもズレを抑える目論見)
  4. 中表のまま両脇の上端から三角切り込み手前までボンドで仮止めして穴空け→縫い合わせる(図中の黒と紫の円で囲んでいる部分)
  5. 図中の三角形部分の同じ色の辺が重なるように折り、ボンドで仮止め→穴空け→縫い合わせる
  6. 全体を裏返したら本体部分完成


あとは両脇にDカンつけて、サイズ合わせたかぶせを縫い付けたら完成です。この辺は超適当。また、肩ひもに関してはもともと持っていた別のバッグ用のものが色とかナスカンとかちょうどよかったのでそのまま流用しました。ただ、使ってみてちょっと細い(幅が約1.5cm)ので、もう少し太いポリエステルかナイロンのテープを買って作ってみようかと考えています。

なお、革の種類はよくわかりません。厚みはなんとなくで測って1.5mmくらいというところでしょうか。シボがしっかりしていてやわらかいです。非常にやわらかいのでコバ処理はほとんど気にせず、トコノールを塗ってかんたんに磨いた程度です。

今回のハギレの入手経路はもちろんのことネット通販。「レザーマニア」さんのところの「牛革大きめはぎれ/1kg詰め合わせ」。たぶん有名どころなんじゃないでしょうか。なお、在庫状況にもよりますがここのお店がAmazonに同じものを出品していることがあり、そっちのほうが便利なような気がします(元サイトのほうだと支払い方法が銀行振り込みと代引きのみで、しかも取り扱いのある銀行がジャパンネット銀行のみなので手数料がかかる可能性が高い。俺は新生銀行の振込み無料権が1回残っていたのでそれを使いました)。
とにかくハギレを安く買いたい、あわよくば小さめのバッグくらい作りたい、という向きにはわりとよいと思います。ハギレとはいえかなりの量、けっこうな大きさのが来ます。近場のハンズやクラフト店でハギレをあさるより安上がりです(ちなみにNoteのケース用に買った紺色のハギレは正味6デシもないくらいで900円くらいしました)。

とにかく早く形にしたかったので、裏地なし、ポケット一切なし、かぶせの止め具もなしのシンプル極まりないつくり。手抜きともいう。
 
上でも書いたとおりかぶせも本体も裏地一切なしで革そのままです。トコノール塗ってるので毛羽立ちはある程度おさまっていますが、もうまんま革。まあなんだ、男の子ですからこういう男くさいというか、ワイルド()な仕様もありでしょう。かぶせについてもハギレの端っこのほうがサイズ的にも形状的にもなんとなくちょうどよい感じだったのでそのまま使いました。綺麗に切るのが面倒だった、もしくは綺麗に裁断できる自信がなかったともいう。

サイズはおおまかに横29cm×縦26cmというところ(マチを軽くつぶすように平たく置いて計測)。ものを適当に詰めてみたらこんな感じになります。

写っているのは、ケースを装着したGalaxy NoteとNexus7と007Z、それにダイソーで買ったA5サイズのリングノートと280mlくらいのサイズのペットボトル。試したところ500mlペットボトル単体なら横にしても縦にしても一応入るし、またケース装着状態のiPadも縦なら入れられます(押し上げられてかぶせが軽く浮く感じにはなる)。ケースなし、もしくは薄めのケースであれば横向きに入れることも可能かと。


実際に作ってみて&使ってみての感想。

  • ステッチに自信がなければ黙って革と同系色の糸を使え。目立たないから。そして袋状なら中表で縫って裏返せばさらにベネ(縫い目が見えない)
  • かぶせの止め具のないバッグを初めて使ったが案外どうということはない。勝手に開いて困る、みたいなことはまず起きない
  • いわゆるミニショルダーほど小さくもなく、ショルダーバッグというほどでかくもない絶妙なサイズ(自画自賛) いやでも実際けっこう取り回しがいいんですよコレ
  • マチ部分の引張りがけっこう強いらしく、よく見ると菱目で空けた穴がちょっと裂けてるのであまり沢山ものを詰めるのはまずそう
  • ボンドを塗るときは量とのりしろの幅をよく考えるべき、はみ出しまくって見た目がひどいことになるから
  • 革がやわらかければ中表に縫って裏返すこと自体は布なみに簡単、むしろどうかしたら布より簡単
  • 作り方の参考になりそうな情報をググっているときにどこかで見かけた今回の「三角切り込み法(今勝手に命名)」が思った以上にうまくいって嬉しい(どこかのレザーバッグ製作1日教室みたいなブログかなにかで見たんだけど、どこだったか思い出せない)


初めてでロクに参考資料もないまま適当に挑んだわりにはなかなか満足のいくものが出来上がりました。製作時間もせいぜい6時間もかかってないと思います(今日は裁断、今日は穴あけ、という感じで飛び飛びにやったので日数はそれなりにかかったけども)。なかなか楽しいぜこれ。

さーて次は何をつくろう。現実逃避ってたのしい!